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公開日:2026.07.31 

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インサイドセールスの立ち上げ方とは?準備から運用までの流れを解説

インサイドセールスの立ち上げ方とは?準備から運用までの流れを解説

「営業の生産性を高めたい」「限られた人員で商談数を増やしたい」と考え、インサイドセールスの立ち上げを検討する企業が増えています。ただし、組織の位置づけや役割が曖昧なまま運用を始めると、部門間の連携ミスや成果のばらつきが生じやすく、立ち上げの段階でつまずく事例も少なくありません。

インサイドセールスを軌道に乗せるには、目的の明確化からアプローチ対象の設計、KPIの設定、人材の育成、ツールの選定、運用改善までを順序立てて進めることが欠かせません。

当記事では、インサイドセールスの種類や立ち上げによって得られるメリットを整理した上で、立ち上げを進める6つのステップと、失敗を防ぐためのポイントを分かりやすく解説します。

 

1. インサイドセールスとは?

インサイドセールスとは、電話やメール、Web会議システムなどを使い、見込み顧客(リード)と関係を築く営業手法です。訪問型のフィールドセールスと異なり、移動や対面準備の時間を抑えられる点が特徴です。非対面で完結できるため、少人数の体制でも多くの見込み顧客と効率よく接点を増やせます。

具体的には、見込み顧客の課題を丁寧に聞き取り、状況に応じた情報提供を重ねながら購買意欲を高め、商談化した案件をフィールドセールスへ引き継ぎます。また、マーケティング部門が獲得した見込み顧客を育成し、営業部門へ橋渡しする役割も担うこともあります。

インサイドセールスは、営業組織全体の成果を安定させる基盤です。

 

2. インサイドセールスの主な種類

インサイドセールスの主な種類は、反響対応型のSDRと新規開拓型のBDRの2つがあります。両者は対象とする見込み顧客やアプローチの方法が異なるため、自社の事業内容に合わせた使い分けが求められます。ここでは、両者の役割と特徴を解説します。

 

2-1. SDR(反響対応型)

SDR(Sales Development Representative)は、見込み顧客からの問い合わせを起点に対応する反響対応型のインサイドセールスです。資料請求やセミナー申し込み、問い合わせフォームなど、見込み顧客側から起こしたアクションがアプローチの対象になります。

反響を起点とする理由は、自社の製品やサービスへ既に関心を持つ層へ働きかけることで、商談につながる確度を高められるためです。課題やニーズを丁寧に聞き取り、商談の機会を設定した上で契約を担当するフィールドセールスへ引き継ぐので、購入意欲の高い見込み顧客を着実に獲得できる点がSDRの強みです。

 

2-2. BDR(新規開拓型)

BDR(Business Development Representative)は、自社から狙った企業へ能動的にアプローチする新規開拓型のインサイドセールスです。問い合わせを待つSDRとは異なり、取引したい企業のリストを作成し、決裁者へ電話やメール、DMで働きかけます。

能動的に動くことで、市場での認知度がまだ低い新規事業や、取引額の大きい大企業向けの商材で効果を発揮しやすくなります。BDRのインサイドセールスでは、マーケティング部門や営業部門が定めた戦略に沿ってチームで活動したり、特定企業との取引開拓を狙うABM(Account Based Marketing)の施策として行ったりするケースがあります。

成果が出るまでに時間はかかりますが、大きな受注につながる可能性を持つ手法です。

 

3. インサイドセールスを立ち上げるメリット

インサイドセールスを立ち上げると、複数のメリットがあります。非対面での営業活動を分業体制に組み込むことで、限られた人員でも営業組織全体の成果を伸ばしやすくなります。

ここでは、インサイドセールスのメリットを詳しく解説します。

 

3-1. 営業コストの削減につながる

インサイドセールスの立ち上げは、営業コストの削減につながります。インサイドセールスは電話やメール、Web会議システムで営業活動を行うため、訪問にかかる移動時間や交通費を抑えられます。

たとえば、インサイドセールスを取り入れた上で商談化の見込みがある見込み顧客だけをフィールドセールスへ引き継ぐ運用にすれば、訪問の無駄が減り、1件あたりの商談ロスを抑えられます。また、1人が1日に対応できる見込み顧客数が訪問型より多いため、新たな人員を増やさずに営業活動を広げやすい点もメリットです。

 

3-2. 営業活動の生産性向上につながる

インサイドセールスの立ち上げは、営業活動の生産性向上につながります。営業部門の業務を役割ごとに切り分けて分業することで、各担当者が自分の役割に集中できるためです。

フィールドセールスは1日に訪問できる顧客数が限られ、相手の都合が合わずアポイントが取れない場面もあります。一方で、インサイドセールスは移動が不要なため、1人あたりの接触件数を増やせます。たとえば、購買意欲の高い見込み顧客との商談はフィールドセールスが担当し、その前段階のヒアリングや情報提供はインサイドセールスが担う形で役割を分けることも可能です。

分業によって各担当者が得意な業務へ専念でき、営業部門全体の生産性が高まります。

 

3-3. 商談数や商談化率の向上が期待できる

インサイドセールスでは、問い合わせがあった見込み顧客へ迅速に対応し、関心が高い段階を逃さず商談へつなげられます。また、すぐに検討段階へ進まない見込み顧客に対しても、電話やメールで継続的に関係を築き、購買意欲を育てる「リードナーチャリング」を進められます。

具体的には、フィールドセールスが訪問対象としない見込み顧客をインサイドセールスがフォローすることで、取りこぼしを減らし、新たな商談を生み出せる場合があります。確度の高い見込み顧客を見極めてフィールドセールスへ引き継ぐため、同じ人員でも商談機会を増やしやすくなります。結果として、商談数や商談化率が向上し、営業組織全体の成果の底上げが見込めます。

 

3-4. 営業活動の可視化やデータ活用を進めやすい

インサイドセールスを立ち上げることで、営業活動の可視化やデータ活用が進めやすくなります。

インサイドセールスでは、SFA(営業支援システム)やMA(マーケティングオートメーション)、CRM(顧客関係管理システム)などのツールに、見込み顧客とのやり取りを記録として残します。活動履歴がツールに蓄積されるため、担当者の異動や退職が起きても、別の担当者が記録を確認して営業活動を行えます。

見込み顧客の育成業務が標準化され、担当者の経験やスキルに左右される属人化を防げるだけでなく、認知から育成、受注までの過程を数値で分析でき、将来的な売上予測の精度を高めやすい点もメリットです。

 

4. インサイドセールスの立ち上げ手順

インサイドセールスの立ち上げは、組織の位置づけと目的の明確化から運用改善まで、6つのステップで進めましょう。準備を順番に固めることで、立ち上げ後の連携ミスや成果のばらつきを抑えられます。

ここでは、各ステップの具体的な進め方を解説します。

 

4-1. ステップ1|組織の位置づけ・目的・役割を明確化する

最初のステップでは、インサイドセールスの組織としての位置づけと目的、担当する役割を明確にします。

方向性が定まらないまま運用を始めると、無駄な施策にリソースを割くリスクが高まります。まずは「商談が成約につながらない」「営業活動が属人化している」など、自社が営業で抱える課題を洗い出しましょう。その上で、課題を解決するための目的を1つに絞り込みます。

次に、組織の設置場所を決めます。インサイドセールスは、マーケティング部門に置くか、営業部門に置くか、両部門の間に独立させるかの3パターンがあります。立ち上げ当初はいずれかに位置づけ、役割を決めてから始めましょう。

 

4-2. ステップ2|アプローチ対象と運用ルールを設計する

2つ目のステップでは、アプローチする対象と部門間の運用ルールを設計します。対象と役割分担を決めておくことで、マーケティング部門やフィールドセールス部門との重複営業やリードの育成不足を防げます。

アプローチ対象の例としては、Webサイトから資料をダウンロードした見込み顧客や、セミナー・展示会の参加者が挙げられます。対象ごとに、インサイドセールスが担う役割を整理しておきましょう。

運用ルールを設定する際は、見込み顧客を次の部門へ引き渡す「トスアップ」の条件を決めます。具体的には、予算・決裁権者・必要性・導入時期を表すBANT情報を聞き取り、購買意欲が十分に高まった段階でフィールドセールスへ商談を引き継ぎましょう。各部門の業務範囲を明確にすることで、スムーズな組織間連携を実現できます。

 

4-3. ステップ3|KPIを設定する

3つ目のステップでは、インサイドセールスの成果を測るKPI(重要業績評価指標)を設定します。会社全体の経営目標であるKGI(経営目標達成指標)から逆算して、達成すべき中間指標を決めましょう。

KPIは大きく「量の指標」と「質の指標」の2種類に分かれます。量の指標には、架電数やメール開封数を示すアプローチ数、獲得した商談数、受注件数などがあります。質の指標には、商談化率や受注率、架電が担当者につながった割合を示すコネクト率などが含まれます。立ち上げの初期段階では、短期間で評価を確認できる量の指標を中心に設定すると、日々の動き方を早く確立できます。

 

4-4. ステップ4|人材を確保・育成する

4つ目のステップでは、インサイドセールスを担う人材を確保し、育成します。運用の設計が固まった後に、マネージャーとメンバーを選任して教育すると効率的です。

日本ではインサイドセールスの経験者が少ないため、フィールドセールス部門やマーケティング部門など社内の人材を育成しましょう。メンバーには、見込み顧客のニーズを聞き取るヒアリング力や、業界・自社商材に関する情報収集力が求められます。

育成方法としては、実際の業務を想定して役割を演じるロールプレイングが効果的です。マネージャーが顧客役を担い、想定される質問への対応力を高めます。

 

4-5. ステップ5|ツールを選定・導入する

5つ目のステップでは、インサイドセールスの業務に合わせてツールを選定し、導入します。部門間でリアルタイムに情報を共有し、業務を効率化するためには、デジタルツールが欠かせません。

主に使われるツールは、MA(マーケティングオートメーション)、SFA(営業支援システム)、CRM(顧客関係管理システム)の3種類です。MAは、見込み顧客の行動データを蓄積し、スコアリングやフォローの自動化を担います。SFAは、案件ごとの進捗管理や実績管理に役立ちます。CRMは、顧客の基本情報や問い合わせ履歴を一元管理します。見込み顧客を育成して引き上げる役割を担うインサイドセールスには、MAが適しているとされます。

自社の業務範囲や扱う商材に合わせて、最適なツールを選びましょう。

 

4-6. ステップ6|運用を開始して改善を繰り返す

最後のステップでは、設計した内容に沿って運用を開始し、改善を繰り返します。立ち上げ直後から成果が安定することは少ないので、KPIの達成状況を見ながら継続的に見直しましょう。

まずはスケジュールに沿って架電やメールでのアプローチを始め、設定したKPIを指標に進捗を管理します。商談アポイント数や商談化率などの数値が目標に届かない場合は、原因を分析します。アプローチ対象のリストが適切か、トークスクリプトの内容に改善点はないかを検証しましょう。録音機能のある電話を使えば、通話内容を聞き直し、フィードバックによってトークの質を高められます。

改善策を実行し、効果を再び数値で確認する流れを繰り返すことで、インサイドセールスの成果を着実に伸ばせます。

 

5. インサイドセールスの立ち上げで失敗しないためのポイントは?

インサイドセールスを立ち上げる際は、準備段階から周囲を巻き込み、小さく始めて改善を重ねる姿勢が成功につながります。ここでは、インサイドセールスの立ち上げで失敗しないためのポイントを解説します。

 

5-1. 関連部署との連携体制を整える

関連部署との連携体制を整えることは、立ち上げを成功させる土台になります。インサイドセールスは、リード獲得を担うマーケティング部門と、受注を狙うフィールドセールス部門をつなぐ役割を持つため、両部門と目的や施策の認識をそろえておかないと、意思疎通に抜け漏れが生じます。

マーケティング部門とは供給するリードの質や数を、フィールドセールス部門とは引き継ぐ商談の条件を事前にすり合わせておきましょう。担当者全員が同じ方向を向けるよう、合意形成を進めることが大切です。

 

5-2. 決裁者を巻き込んで推進する

決裁者を立ち上げの計画段階から巻き込むと、円滑な推進につながります。インサイドセールスの必要性が社内に理解されないと、他部門との連携や人材・予算の確保が難しくなります。

インサイドセールスの立ち上げでよく起きる失敗に、供給する商談の質がフィールドセールスの求める水準に届かず、トラブルになる事例があります。営業全体を統括する立場の決裁者に参加してもらうと、成功の基準やKPIをぶれずに定められ、部門間の一体感を高めやすくなります。

 

5-3. トークスクリプトやマニュアルを整備する

トークスクリプトやマニュアルの整備は、チーム全体の対応品質を安定させます。優れた成績を収めるメンバーのトークを参考に、共通のマニュアルを展開しましょう。

ただし、アポイントを機械的に獲得する内容ではなく、顧客との関係構築を意識した内容にすることが大切です。あわせて、予算・決裁権・ニーズ・検討時期を表すBANT条件に沿ってヒアリングを進めると、フィールドセールスへ引き継ぐべき商談かどうかを見極めやすくなります。

関連記事:トークスクリプトとは?作り方の手順・例文も紹介

 

5-4. スモールスタートでノウハウを蓄積する

インサイドセールスの立ち上げはスモールスタートで始め、ノウハウを蓄積する進め方が失敗を防ぎます。最初から大規模に始めると意思決定が複雑になり、柔軟なトラブル対応や施策の改善が難しくなります。

少人数の組織であれば、PDCAサイクルを素早く回し、トライアンドエラーを重ねられます。顧客との通話データを振り返り、よく聞かれる質問やアポイントにつながった要因を記録してトークスクリプトへ反映させましょう。ノウハウが蓄積されれば属人化を防げるため、メンバーの異動や退職があっても業務品質への影響を抑えられます。

 

5-5. 定期的なミーティングで情報共有や目標管理を行う

定期的なミーティングの場は、情報共有と目標管理を支える大切なポイントです。立ち上げ当初は毎週開催し、運用が安定したら月1回へ頻度を移すなど、調整しつつしっかり行いましょう。

マーケティング部門へリードの質や属性の変化を伝えれば、引き継がれるリードの精度向上が見込めます。フィールドセールス部門からは受注案件の詳細を聞き、アプローチ内容の見直しに役立てましょう。取り組みを正当に評価することで、担当者のモチベーション維持にもつながります。

 

まとめ

インサイドセールスを立ち上げた後は、設定したKPIの達成状況を確認しながら、トークスクリプトやアプローチ対象のリストを見直し、改善を繰り返すことで成果が安定します。

立ち上げを成功させるには、リードを供給するマーケティング部門と、商談を引き継ぐフィールドセールス部門との連携体制を整え、決裁者を計画段階から巻き込むことが欠かせません。あわせて、少人数でのスモールスタートや定期的なミーティングを通じ、ノウハウの蓄積と目標管理を進めましょう。

ただし、トークスクリプトやマニュアルを整備するだけでは、現場で成果を出す実践力は身につきません。継続的なトレーニングを通じて、実際の商談で活用できるスキルとして定着させることが重要です。そのため、インサイドセールスの組織強化にはAIロープレツールの活用がおすすめです。

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